内容
ある夏の夜。家の電話が突然、鳴り響いた。「婆ちゃんの精密検査の結果太悪くて…。どうすればいいんだよう」それは、長野の実家に住む母親からの電話だった。小林貴裕はこの電話によって帰ることになる。「あの家」には、7年間引きこもっている潔癖症の兄、そんな兄を抱え苦しんでいる鬱病の母、末期ガンの祖母がいる。家族を支えていた父は、「あの家」を離れ、小林と共に埼玉で暮らしている。小林は高校進学を理由に「あの家」を離れた。彼は、家族から逃げ続けていた。彼は、初めて家族と向き合おうとカメラを手に「あの家」に入った。しかし、彼は兄と向き合えない。そんな自分に不甲斐なさを感じ、彼は埼玉へ戻る。再び帰ると兄の暴力性は更に強くなっていた。切迫した状況を目の当たりにし、彼は動き出した。兄と向き合えないでいた彼を支えてくれるのは、1台のカメラだけである。カメラを手に兄の部屋へと入った。そして、ここから本当の闘いが、始まったのだ。