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| この道は母へとつづく | |
300字レビュー |
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【こだわりの品(しな)】 ロシアが舞台。ある孤児院に住んでいるワーニャはイタリア人夫婦の養子になることが決まりかけた。けれど、そこで自分の本当の母親、厳密には自分を捨てた親に会いたいという思いが強くなる。それは以前、養子にもらわれていった同じ孤児院の友だちの、本当の母親が今更ながらに会いにきて、会えないことを苦に自殺してしまったのが直接の原因だった。ワーニャは実の母親に会いに行こうとするのだが、当然、孤児院側は養子がご破算になってはいけないとワーニャを阻止しようとする…。 フィクションであるとはいえ、現実のニュースを元にして話を作っているので、リアルな作りをしている。ロシアの極寒の風景と相まって庶民の苦悩が重くのしかかる。いくら大国ロシアとは言え、中味はこんなになってるのかと思うと、そこに関わる子供たち、悪いとは思っても手放さざるを得ない親たちの嘆きがしみじみと伝わってくる。問題が全くないとは言えないが、まだましな生き方をさせてもらっている自分は幸せなほうなんだと思えてくる。 孤児院で養子縁組もないまま、成長した子供たちは中心になって、そこに住む(成長するとボイラー室辺りに住んでいるのだが)孤児たちのしきたり(仕事で稼いだ金は一旦、金庫に入れて、みんなに分け与える)に沿って、共同体を形成しているのである。たくましさを感じるとともに、そうしなくては生きていけない現状もまた、伝わってくる。 ワーニャ役の男の子、コーリャ・スピリドノフ君のカワイさもプラスされて、観る者は自然と彼の応援をしたくなってくるのだが、そうするとこれは「母をたずねて三千里」みたいだなあ、という気分もないわけではない。ただ、母親に会ったところでどうなるのか?という不安定な気持ちがワーニャにはあるのだが…。(越智) |