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| おそいひと | |
300字レビュー |
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【こだわりの品(しな)】 身体障害者・住田雅清がそのままの名前で本編の主人公を務める。普通、障害者が主人公だと、周りの家族にしても関わるボランティアにしても温かそうな雰囲気をたたえ、結局、ディープな部分には踏み込めない作品に仕上がることが多い。 しかし、この作品は違う。主人公・住田雅清は1人の男として、一般人のような感情を持ち、ボランティアの若い女の子に高揚した感情を見せる。けれど周りの人間は相手が障害者だから、無碍にはできない。 ところが、その彼があるところから感情を屈折させていく。それは一般人には誰でもある失恋である。もっとも、告白したことによる失恋ではなく、それは障害者が持つジレンマ。障害者だからこそ親切にされるのであり、それはともすればボランティア側から見ると仕事なのである。けれど、それが好意を寄せる女の子であった部分で、住田雅清の中に暴力的な感情が芽生えてくるのである。これも人なら誰でもが持つ感情であるとは思う…。 しかもその描き方が斬新である。それは詳しくはこのような文章で表すことはできないが、ある意味、障害者の風貌(住田雅清の素晴らしい演技であってもいい!)を利用した悪趣味ととらえなくもない。けれども、一般人だって凶暴な役にはそれ相応の風貌の俳優が配されるのであるから、同じようなものである。 この作品に関しては、かなり賛否両論があったそうであるが(こんなことをしてたら障害者に誰も手を差し伸べてくれなくなるじゃないか!という下らない反論がありそうだ)、個人的にはこの所業に挑戦した製作側、何より住田雅清という人物を支持したい。ただ、これがいいからといって、今後、安易にこれを模倣する作品には賛同しない。何事も初めてということは度胸がいるものなのである。この方々には今後も頑張ってほしいとエールを送りたい。(越智) |