ストーリー
淡々と会社と自分の部屋を往復し、"玉川"と暮らすユキエ。すぐ近くにいるのにとても遠くにいるような玉川を、ユキエはただただ見つめる。彼の冷たい身体を撫でる。二人は、盲目のように抱擁しあい、そして、無邪気に踊った。誰にも邪魔できない世界で。彼だけいればよかった。噂好きの同僚も、執拗に訪れる大家も、玉川の母でさえ入れない場所が、誰にも知られずにひっそりと築かれていた。ユキエと玉川は、彼が生きている時より、蜜月だった。しかし、そのユキエの頑なさに興味を抱き、ユキエの"部屋"に入ろうとした同僚真島。真島が現れ、ユキエの世界のバランスが、音を立てて崩れはじめようとしていた…。