ストーリー
美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、その日オークションで、紀元前5世紀に作られたテラコッタ製のギリシャの壷を、20万ユーロという高額で競り落とした。ビジネスパートナーのカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)の制止を振り切ってのこの落札に、カトリーヌはこれからの商売が立ち行かなくなると案じるが、そんな彼女にフランソワはこう応える。「どうしても欲しかった。衝動的な欲望だよ」
その夜、意気揚々と自身の誕生パーティに出席したフランソワは、顔を揃えた知人の前で、午前中に出席した顧客の葬儀について、「列席者が7人しかいなかった」と吐き捨てるように言う。ところが、その中のひとりから、フランソワは思いもかけない言葉を浴びせかけられることになる。「君の葬式には誰も来ないよ」
まさかという面持ちで、テーブルに着く知人の顔を見回すフランソワ。しかし、誰もが真剣な表情だ。そんな、冗談じゃない。そして、追い討ちをかけるような止めの一言。「君の興味の対象は"物"だけだ。君には友だちはいない」
そこまで言われて引き下がるフランソワではない。スケジュールは埋まっているし、ランチをともにする相手もいると抗うが、カトリーヌから「仕事関係じゃないわ、親友はいる?誰なの?」と詰め寄られ、言葉に窮してしまう。思わずムキになったフランソワは、ついこう口走ってしまう。「賭けるか?」
月末までの10日間で、フランソワが親友を紹介する。証明できたら、あのギリシャの壷はフランソワのものだ。そして負けたらカトリーヌのもの。こうして、賭けは成立した。
その日から"友人リスト"を書き連ねるフランソワ。しかし"リストの1番"に掲げたベルトランからは「商売敵だ」と言い放たれ、頼みがあるとすがりつくと、「金を貸して欲しいのか?」とけんもほろろにあしらわれる始末。おまけに「お前を友だちと思う奴はいない」とダメ押しされると、すごすごと引きあげる他はない。