ストーリー
子連れの女との結婚を控えた中年の看守・平井(小林薫)は、有給休暇を使い果たしていたために、新婚旅行に出かけられずにいた。
平井が勤務する拘置所には死刑囚の金田(西島秀俊)が収容されており、模範囚ながらどこかつかみどころのない金田の対応も含め、心身ともに負担が大きい。新人刑務官の大塚(柏原収史)や定年間近の坂本(菅田俊)、そして誰からも人望が厚い三島(大杉漣)ら同僚たちに囲まれながらも、彼らと過度に親しくすることもせず、当たり障りのない日々を過ごす平井。
披露宴を週末に控えたある朝、金田の刑が2日後に執行されることが言い渡される。処刑の際、下に落ちてきた身体を支える執行補佐を買って出れば1週間の休暇を与えられると聞いた平井は、苦悩の末、自らその役に名乗りを上げる。かくして刑は執行され、平井は新妻・美香(大塚寧々)と彼女の息子・達哉(宇都秀星)とともに、ささやかな新婚旅行に出かけることとなった。
だが平井の脳裏から、自分の幸福のために死刑執行に加担した記憶がいつまでも離れない。三島らは挙式前にすすんで支え役を買って出た平井に白けた目を向けていた上、息子となる達哉の自分を拒むような態度も、平井の不安と苛立ちをつのらせる要因となった。
達哉が平井を父親として受け入れるときがくるのだろうか。また職務とはいえ、他人の生命を奪った者が人間としての幸福を享受できるのだろうか…。