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| イントゥ・ザ・ワイルド | |
(原題:INTO THE WILD) ![]()
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300字レビュー |
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◆原作は実話が元になっているジョン・クラカワーの『荒野へ』。映画ではその断固とした信念とストイックな姿勢にすごい若者がいたもんだと思ったけれど、原作を読んでみると、作者の元には批判的な意見が多数寄せられたという。最後の結末も映画で描かれていたものとは違う憶測も飛び交っていたみたいだ。 普通であれば旅で出会ったいろんな人達との関わりの中で、何かしら影響を受けたり、心に変化が起きるのではないかと思うけれど、それを許さない彼の心の奥底には一体何が潜んでいたのだろうか。 けれど、クリスが最後のシーンでようやく見つけたもの、それはソルトン・シティで出会った老人ロンが山の頂上で語った言葉が全てを物語っているのかもしれない。(こまち) ◆ショーン・ペン監督の長編4作目となる本作だが、今までの作品とは少し雰囲気が違う作品となっている。これまでの作品のような張りつめた緊張感はなく、よい意味で落ち着いた作品。 簡単にいってしまえば、「自分探し」に出た青年が、放浪の果てにアラスカで餓死したという実話なのだが、結果として「死」へ向かう青年の物語にもかかわらず、作品はその隅々まで「生」であふれている。愛や金銭、名声よりも真理を求めて旅立った青年が、アラスカの荒野で孤独の中に見出した真理。彼の記した言葉が非常に印象深く、観る者の心を揺さぶる。 要所要所で流れるエディ・ヴェダーによる音楽の、恥ずかしいくらいにタイミングのあった挿入の仕方や、スローモーションの使用など、ショーン・ペンのロマンティシズムあふれる演出は本作も変わらない。 見方によっては非常に青臭い作品であり、彼の「若さ」を「軽率」と笑うこともできるだろうが、作品は彼を受け入れ優しく見つめる。1970年代後半から90年代初頭の先進国で思春期以降を送った世代に共通した感覚なのだろうか、豊かさの裏側にあるヒリヒリとした孤独や怒り、または諦めを抱えて、自身の身体感覚を頼りに、「ここではないどこか」にあるはずのユートピア(真理)を求める。アメリカン・ニューシネマの洗礼を受けた最初の世代に当たるショーン・ペンにはとてもリアルな感覚なのだろう。この後の世代はおそらく、身体感覚へは訴えない。怒りと諦めを持って自身の内側(もしくは室内)かインターネットを含む仮想現実へ向かう。今現在20代前半を過ごす世代がこの作品をどう観るのか、非常に興味を覚える。(栗栖) |