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300字レビュー |
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◆出世作の『ザ・セル』とは全く趣の違うターセム監督の作品。構想26年、撮影期間4年というだけあって、映像美やストーリー構成の素晴らしさなど、本作の見所はいくつかあるだろうけれど、なんと言ってもアレクサンドリア役のカティンカ・アンタルーの存在に尽きる。そのまっすぐで愛らしい眼差し、ひたむきで純真なハートに完全にノックアウトされてしまった。彼女から自然な演技を引き出そうと、いろいろ工夫したり、ハプニングも柔軟な心を持って受け入れた監督の意向がいい形で表れているように感じる。 とは言っても、13の世界遺産、24カ国以上で撮影されたその映像美にはやはり目を見張るものがあり、マニアにとってはたまらないかもしれない。(こまち) ◆『ザ・セル』のターセム監督最新作とのことだが、監督自身が自宅以外の全てを売って製作資金に充てた、撮影期間4年、13の世界遺産を含む世界24カ国以上で撮影したという、壮大すぎる自主制作映画。 前作『ザ・セル』とは変わって、CGIに頼らないロケーションによる映像は、ターセム監督独特の世界観と石岡瑛子の衣装により、これ以上ない絢爛な映像絵巻となっている。 ただし、物語としては正直、面白くない。青年が少女に、その場しのぎで語り出した「ものがたり」が、やがて「二人のものがたり」として互いを希望に導いていくのだが、その語り口があまり上手くない。青年が語る「ものがたり」の進行と現実世界での二人の関係がシンクロしていく過程が強引で、「ものがたり」の映像美だけが強く印象に残る。その破綻ぶりは、テリー・ギリアムの「バロン」を思い出す。 映像系の監督による「構想何十年」と謳われる自作物語は、何故こうもすべからく破綻するのだろうか。元来的にストーリーテラーではないから、ただの絢爛豪華映像絵巻となってしまうのだろうか。非常に残念でならない。(栗栖) |