ストーリー
文久三年(1863年)に13名で結成された「新選組」。当時、局長の近藤勇、29歳。副局長の土方歳三、28歳。沖田総司、19歳。最盛期には300名を越える組織となったが、その歴史は慶応四年(1868年)1月の鳥羽伏見の戦いで実質的に幕を閉じる。わずか5年という短い命運に過ぎなかった。これは明治維新の寸前という世紀末を舞台にした壮絶な青春映画なのである。
原作は、本作品で第43回文藝春秋漫画賞を受賞した黒鉄ヒロシの「新選組」(PHP研究所版)。ナンセンス漫画の鬼才が腰を据えて執筆した大作に触発された市川崑監督が、シャープな黒鉄タッチの絵柄の魅力を最大限まで生かすために考案したのは、原画から抜き出した切り絵のキャラクター人形を大量に作成して、その操演で全篇を撮影する手法。アニメでもCGでもない、この革新的な映像は、名付けて「ヒューマン・グラフィック 崑メーション」。これまでの映画の常識を覆しながらも、市川作品として見事な調和を保つ三次元的立体漫画映画である。