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タイトル

伝えられる戦争(2)

二重被爆


(2006.08.05)


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広島と長崎と、世界でわずか2回しか使用されていない核兵器を、文字通り2度とも受けてしまった人たちのドキュメンタリーである。この事実は長崎出身の僕も知らなかった。主となる山口彊(つとむ)さんは長崎市の人である。

山口さんは三菱重工の長崎造船所から単身赴任で広島市に来ていたそうで、その通勤途中に1発めの原爆に遭遇したそうだ。そして、家族のいる長崎市へ帰ったところで2発めにも巡り合うこととなった…。

ただ、この山口さん、2度ともあの熱戦を浴びたにしてはかなり元気に見える。90歳というのも同じ同年代の方と比べてみても、しゃべりも全く問題なく聞き取れる。それが唯一、不幸中の幸いなのかもしれない。放射線の影響のことはこの作品では描かれてないが、それは大丈夫なのだろうか?

確かに二重被爆という事実はインパクトのある事柄なのだが、作品としてはただ二重被爆の人を集めるだけでは物足りない。先述の放射線の影響から来る後遺症だとか、二重被爆から受けた社会的な問題とか、もう少しディープなところへの掘り下げが欲しかったところ。

それによる差別など、談話から若干、垣間見られるシーンがあって、そういうことはあったということは容易に想像できるのである。もちろん、当人たちにとっては思い出したくもない事柄かもしれない。しかし、この作品は商売性を抜きにしても、後世に伝えるべき大切な映画なのである。それを踏まえた上でのことなのだ。

日本のように戦争から遠くなってしまうと、誰もが現実を忘れてしまう。戦中派の人々もなかなか発言されなくなってきている現況では、こういう場を設けることも貴重なものなのだ。そのようなことを知ることは怖いことなのかもしれないけど、全部、人間の仕業なのである。未来に絶対ないとは言えないのだから。


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