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オードリー・ヘップバーン

本名:
エッダ・キャスリーン・ヴァン・ヘームストラ・ヘプバー

■1929年5月4日
ベルギーの首都ブリュッセルで生まれる。牡牛座
■'48年 ロンドンに移住
■'51年 『Laughter in Paradise』に映画初出演
■'54年 『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞受賞
メル・ファーラーと結婚
■'60年 長男ショーン誕生
■'68年 メル・ファーラーと離婚
■'69年 精神科医アンドレア・マリオドッティと再婚
■'70年 次男ルカ誕生
■'83年 離婚
■'85年 ロバート・ウォルターズとスイスで暮らし始める
■'89年 ユニセフ親善大使になる
■'93年1月20日 大腸癌で死亡。享年63歳
代表作
『ローマの休日』1954年

監督:ウィリアム・ワイラー

共演:グレゴリー・ペッグ
エディ・アルバート

『麗しのサブリナ』1954年

監督:ビリー・ワイルダー

共演:ハンフリー・ボガート
ウィリアム・ホールデン

『ティファニーで朝食を』1961年

監督:ブレーク・エドワード

共演:ジョージ・ペパード

『シャレード』1963年
監督:スタンリー・ドーネン
共演:ケーリー・グランド
『おしゃれ泥棒』1966年
監督:ウィリアム・ワイラー
共演:ジャック・レモン
トニー・カーチス
ジョー・E・ブラウン
『暗くなるまで待って』1967年
監督:テレンス・ヤング
共演:エフレム・ジンバリスト・ジュニア

オードリー・ヘップバーンは特異な女優だ。 彼女より美しいと言われる女優はたくさんいる。でもオードリーにはかなわない 。ファンの女性たちは、オードリーのようになりたいと思いファッションを真似た りする。でもオードリーには近づけない。なぜなら、オードリー・ヘップバーンは 女優ではなくて妖精だからだ。生身の女が妖精に太刀打できるわけがないのだ。

 感嘆させられたのは、その瞳だった----。
『麗しのサブリナ』のワンシーン。美 しいレディに変身し故郷に戻って来たサブリナ(オードリー・ヘップバーン)が初 恋の男性(ウィリアム・ホールデン)に再会する。 ため息がでてしまった。その時のオードリーの表情といったら!瞳は、まさに宝 石。再会の喜びに輝いて「あなたが世界で一番好きよ」と語っているようだった。 こんな瞳で見つめられた男性は、たまったものではない。事実、ウィリアム・ホー ルデンはオードリーに恋してしまった。

 瞳は心の窓----。
どんな言葉で繕っても、瞳まで嘘をつくことは難しい。演技だけで、こんな瞳ができるものではない。私はそこにオードリーの心を見たような気 がした。

 この時期、オードリーは幸福の絶頂にあった。『ローマの休日』でアカデミー主 演女優賞を受賞し、愛する男性(メル・ファーラー)とめぐり逢った。人生は喜び に輝いていた。オードリーが変わってしまったと思ったのは『おしゃれ泥棒』あた りだったろうか。容色の衰えとか厚めのメイクとかが理由ではない。彼女の瞳は翳 っていた。
メル・ファーラーは俳優から製作者へ転身し、オードリーは彼の仕事を献身的に サポートした。しかし、ファーラーはオードリーが演るはずだった『うたかたの恋 』の主役を、カトリーヌ・ドヌーブに与えたのだった。このときオードリーは、主役だけでなく、彼の心をもドヌーブに奪われてしまっていた。

 愛していた男性の裏切り。経験した者でしかわからない「胸がはりさける思い」 をオードリーも味わったのだろう。目に見えなくても、心の傷口からは鮮血がほと ばしるのだ。その痛みを癒してくれたのは時間と新たな男性の出現。しかし、二度目の結婚においても、オードリーは夫の裏切りを経験しなければならなかった。

 1980年代半ば、オードリーの生活は変化した。スイスに住み、積極的にボランテ ィア活動に参加するようになる。私はずいぶん久しぶりに彼女の近況を知らされた 。それは、恵まれない子供たちと一緒に写るオードリーのスナップだった。その瞳は輝いていた。昔見た、あの瞳の輝きだった。私はなんだか嬉しくなった。オード リーは心の平安を得たに違いないと思った。

たくさんの人々に夢と希望を与えた妖精には、幸福な魂こそふさわしいのだ。

 

 
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