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「カトリーヌ・ドヌーブとは共演しないほうがいいですよ」
ニュース・ステーションにゲスト出演したジャン・レノに久米宏は忠告していた。
ドヌーブにインタビューした時、怖い思いをしたらしかった。
私がドヌーブに対して抱いているイメージも似通っている。
来日時に受けた印象 からそう感じるのだが、こちらが萎縮してしまうような女帝の貫禄を漂わせていた 。
ドヌーブは共演者も選べるし、作品に注文をつけることもできる。監督にさえ一目
置かれている。そのような成功者としての立場は、これからの女性が目指す理想像のようでもある。ドヌーブは何を犠牲にして、その成功を勝ち得たのだろうか?
そこに私は興味を感じる。
カトリーヌ・ドヌーブは過去の恋愛事件に関してもクールな冒険家だった。
恋に 溺れ身を焦がすというより男性の精力を吸い取って自分のエネルギーとしてしまうよう な、(交尾の後にオスを食い殺してしまうという)かまきりタイプの女性に思えてしまう。
ドヌーブの姉フランソワーズ・ドルレアックも女優だった。二人は『ロシュフォ
ールの恋人たち』で共演している。絵に描いたように美しい姉妹であった。
ドヌーブは姉と自分を比べてコンプレックスを抱いていたという。自信に満ち溢れているような彼女が…。ちょっと信じられない感じがする。
フランソワーズ・ドルレアックは若くして急死した。尊敬の対象でもありライバルでもあった姉の死。それはドヌーブにどんな影響を与えたのだろうか?かなりの喪失感に襲われたに違いない。
死は残された者にのみ意味がある。
その現実から何かを学びとり、生き続けなければならない。多くの試練を踏み越えながら。
カトリーヌ・ドヌーブは「フランス映画界の女王」と呼ぶにふさわしい女優にまでになった。
しかし、彼女は決して姉を超えたとは思っていないだろう。姉フランソワーズは永遠に若く美しい姿のままドヌーブの中で生き続けているのだから。
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