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カンヌの最高の栄誉、それはやはり「グラン・プリ」と「パルム・ドール」の 各賞ではないだろうか。  

ともに最高の賞といわれるこの2つは、混同して報じられる場合が多い。パル ム・ドール(グラン・プリ)といった具合にである。  
ではこの2つの区別はどうつけたら良いのだろう。
これは、年によって呼称が変わるものである。

1946年の第一回から第五回まで は、グラン・プリ、1955年から1963年まではパルム・ドール、1964〜74年はグラ ン・プリ(66年は「20回記念グラン・プリ」となっている)、そして74年以降は ずっとパルム・ドールが最高賞となっている。また1990年よりグラン・プリは、 「審査員特別賞」の呼称となっている。つまり現在のカンヌには、最高賞のパル ム・ドールと、それに準ずるグラン・プリとがあるわけだ。  
ちなみに「パルム・ドール」とは、”金色の棕櫚(しゅろ)”の意味である。 この樹はカンヌ市内の街路樹に多い事でも知られる。

第一回映画祭では賞はかなり多く出された。いわば”おみやげ”的な感覚だっ たと考えられる。

■「失われた週末」(アメリカ 監督:ビリー・ワイルダー)、
■「逢びき」(イギ リス 監督:デビッド・リーン)、
■「下の街」(インド 監督:チェタ・アナン タ),
■「無防備都市」(イタリア 監督:ロベルト・ロッセリーニ)、
■「最後のチャ ンス」(スイス 監督:レオポルド・リンドベルグ)、
■「試練」(スウェーデン  監督:アルフ・シェーベルイ)、
■「決定的な曲がり角」(ソ連 監督:フレデリ ック・エルムレ)、
■「翼のない男たち」(チェコ・スロヴァキア 監督:M・キャ ップ)、
■「地球は赤くなる」(デンマーク 監督:ボディル・イプセン/ラウ・ラ ウリッツェン)、
■「田園交響楽」(フランス監督:ジャン・ドラノワ)、
■「白き処 女地」(メキシコ 監督:エミリオ・フェルナンデス)

以上の11作品がグラン・ プリに選ばれた。また「鉄路の闘い」(フランス 監督:ルネ・クレマン)が審査 員賞と監督賞の2つをとった。 この「鉄路の闘い」は「無防備都市」と並んで第 一回映画祭を代表する作品となっている。

1947年の第二回では、カテゴリー別に選出された。

■恋愛心理映画賞:「幸福の設計」 (フランス 監督:ジャック・ベッケル)
■冒険探偵映画賞:「海の牙」 (フランス 監督:ルネ・クレマン)
■ミュージカル映画賞:「ジーグフェルド・ウォリアーズ」 (アメリカ 監督ヴィ ンセント・ミネリ)
■社会的映画賞:「十字砲火」 (アメリカ 監督:エドワード・ドミトリック)
■アニメーション映画賞:「ダンボ」(アメリカ 監督:ウォルト・ディズニー)
■記録映画賞:「ポーランドにおける洪水」(ポーランド 監督:E・ボサック)  

これはこの年一年きりの試みだった。  
今日のような形で受賞作が決まるようになったのは、1949年の第三回(1948年 は財政難で中止)からである。ちなみにこの年のグラン・プリ受賞作は「第三の 男」(イギリス 監督:キャロル・リード)であった。

 


 
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